病院看護医療情報Topicsまとめ(Health and Medical Information)

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はたして地域医療連携ネットワークの構築が進むのか?「診療情報提供書等の電子的な送受に関する評価」診療報酬改定2016

今回は「診療情報提供書等の電子的な送受に関する評価」について検討してみます。
平成28年度(2016年度)診療報酬改定の「個別改定項目について」(中央社会保険医療協議会:厚生労働省)から、 中小規模一般急性期病院で気になる点についてまとめてます。

ひょっとしたら、地域医療連携ネットワークの構築が進む理由になるかもしれません。

【Ⅱ-2(患者の視点等/ICTの活用)-①】診療情報提供書等の電子的な送受に関する評価

第1 基本的な考え方

現在、署名又は記名・押印が求められている診療情報提供書、訪問看護指示書及び服薬情報等提供文書等について、電子的に署名を行い、安全性を確保した上で電子的に送受した場合にも算定可能とする。
診療情報提供書への検査結果・画像情報等の添付について、電子的に送受・共有する場合についても評価する。

第2 具体的な内容

1.医科診療報酬点数表に記載する診療等に要する文書、訪問看護管理療養費の算定に係る文書及び服薬情報等提供料の算定に係る文書の電子化

[算定要件]

(1)電子的方法によって、個々の患者の診療に関する情報等を他の保険医療機関等に提供する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(平成25年10月)を遵守し、安全な通信環境を確保する。
(2)署名又は記名・押印を要する文書については、電子的な署名を含む。その場合、厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI:Healthcare Public Key Infrastructure)による電子署名を施すこと。

診療情報提供書、訪問看護指示書及び服薬情報等提供文書等の提供の際に、電子的な手段を用いての連携でも算定が認められることになりました。
これにより、別に紙媒体でやり取りしなくてもよくなります。

2.診療情報提供料(I)検査・画像情報提供加算の新設

(新) 検査・画像情報提供加算
イ 退院する患者について、当該患者の退院日の属する月又はその翌月に、必要な情報を提供した場合 200点
ロ 入院中の患者以外の患者について、必要な情報を提供した場合 30点

[算定要件]

保険医療機関が、患者の紹介を行う際に、過去の主要な診療記録を、他の保険医療機関に電子的方法で閲覧可能なように提供した場合に加算する。ただし、イについては、注7に規定する加算を算定する場合は算定しない。

退院時に施設間で情報連携した場合は、200点がつくようになります。また、入院中以外の患者については、30点がつくようになります。
また、別の保険医療機関から診療情報を電子的に提供され、診療記録を診療に活用した場合にも30点が算定できるようになります。

3.電子的診療情報評価料の新設

(新) 電子的診療情報評価料 30点

[算定要件]

保険医療機関が、別の保険医療機関から診療情報提供書の提供を受けた患者について、過去の主要な診療記録を電子的方法により閲覧でき、当該診療記録を診療に活用した場合に算定する。

情報を受け取り利用する相手側にもメリットがあるということになります。
こうなると、電子的に診療情報を提供して欲しいという要望をする施設も出てくるかもしれませんね。

[2及び3に係る施設基準]

(1)他の保険医療機関等と連携し、患者の医療情報に関する電子的な送受信が可能なネットワークを構築していること。
(2)別の保険医療機関と標準的な方法により安全に情報の共有を行う体制が具備されていること。

これらの算定要件や施設基準を満たすためには、システムの導入が必須です。しかも、電子署名も含めたシステムでないといけません。
受信側の「電子的診療情報評価料」については、受信ネットワーク環境の構築だけで良いのかもしれませんが、電子化された情報を送ってもらえる施設側の対応と連携が必要になりますから、ハードルは高いように思います。

この点数では、すでにそういったシステムを導入している地域(施設)へのおまけ的な要素が強いように感じてしまいます。
公的機関の助成金によって、システムを構築した施設へのおまけでしょう。
もし、貴方の地域でまだ助成金の余地があるのでしたら、参入を検討されると良いでしょう。

ただ、受信側での点数がついたことで、電子的に送って欲しいと要望する施設も出てくるかもしれません。そうなると、地域の中核的な立場でありたいと思っている病院であれば、その要望に対応するために、システムの導入を考えざるを得ないのかもしれません。でも、この点数では、病院の持ち出しが大きい。もっと点数が高かったら、良かったのにと思うところです。

 

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引用・参考:中央社会保険医療協議会総会審議会資料 |厚生労働省

 

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