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病院看護医療情報Topicsまとめ(Health and Medical Information)

病院・看護・医療に関する話題の情報トピックスをメモってまとめてる備忘録的なブログです。掲載している情報は、必ずご自身で内容をご確認ください。記載が不正確であったことにより生じたいかなる損害に関しても、私は責任を負いかねます。

施設基準が追加になり、より厳しくなってしまうかも?「総合入院体制加算の実績要件等の見直し」平成28年診療報酬改定2016

総合入院体制加算の施設基準や要件が見直されます。算定要件は少し軽くなる面もありますが、施設基準が厳しくなり、算定が厳しくなるとみています。

※平成28年度(2016年度)診療報酬改定の「主要改定項目について」(中央社会保険医療協議会:厚生労働省)から、 中小規模一般急性期病院で気になる点についてまとめています。

【Ⅰ-1(医療機能の分化・強化/入院医療の評価)-⑧】総合入院体制加算の実績要件等の見直し

第1 基本的な考え方

総合入院体制加算について、総合的かつ専門的な急性期医療を適切に評価する観点から、加算1について、化学療法の要件の見直しを行うとともに、新たに急性期患者に対する医療の提供密度に関する要件等を追加し、また、加算2について、一定程度の実績を満たすことを要件とし、新たに認知症・精神疾患患者等の受入れ体制に関する要件等を追加した上で評価の見直しを行う。

第2 具体的な内容

総合入院体制加算について、総合的かつ専門的な急性期医療を適切に評価する観点から、以下のとおり見直しを行う。

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現行の総合入院体制加算1と加算2は、加算1と加算3になり、新たに加算2が追加となります。
その算定のための施設基準を確認すると、こちらは、救急車の受け入れ実績と精神科も含めた体制を評価しての増点になっているようです。1と3については、現行と点数は変わっていません。

さて、気になる施設基準等の変更ですが、下記になります。

[施設基準等]
総合入院体制加算1
①年間の手術件数が800件以上であること。また、実績要件をすべて満たしていること。
②当該保険医療機関の算定対象病棟において、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票におけるA得点が2点以上又はC得点が1点以上の患者が3割以上であること。
③公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院又はこれらに準ずる病院であること。

加算1については、②の看護必要度に係る評価が追加されます。また③の日本医療機能評価機構等の機能評価認定あるいはそれに準ずる病院であることが必要となります。
②の看護必要度については、全病棟で総合入院体制加算を算定していた医療機関にとっては、なかなか厳しい改定と言えそうに思います。ただ、そもそもが総合的かつ専門的な急性期医療を評価する面からの点数なので、必要性のある患者を受け入れていないと認められないというのは、ある意味で致し方ないことだと思いますね。
こちらでは、精神科の標榜についての記載はありませんが、こちらの資料は重要な変更項目のみの記載なので、加算1が精神科の標榜が必要な点は変わっていないようです。

さて、続いて加算2と3ですが、これらは精神科を標榜していない医療機関でも、近隣の精神科医との24時間での協力体制をとっていれば算定の可能性があるのですが、今回の改定でその施設基準はなかなか厳しいものとなっています。

総合入院体制加算2
①年間の手術件数が800件以上であること、年間の救急用の自動車等による搬送件数が2,000件以上であること。また、実績要件について全て満たしていることが望ましく、少なくとも4つ以上満たしていること。
②精神科については、24時間対応できる体制(自院又は他院の精神科医が、速やかに診療に対応できる体制も含む。)があり、以下のいずれも満たすこと。
イ 精神科リエゾンチーム加算、又は認知症ケア加算1の届出を行っていること。
ロ 精神疾患診療体制加算2又は救急搬送患者の入院3日以内の入院精神療法若しくは救命救急入院料の注2の加算の算定件数が年間20件以上であること。
③当該保険医療機関の算定対象病棟において、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票におけるA得点が2点以上又はC得点が1点以上の患者が3割以上であること。
④公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院又はこれらに準ずる病院であること。

まず、新たに追加となった、加算2ですが、精神科を標榜していなくても、他施設の精神科医が速やかに24時間診療できる体制であれば、問題ないのは、加算3と変わりませんが、こちらは、条件がより厳しいです。
まず、救急車の受け入れ実績が、2,000/年であることが必要ですし、他に上記にあげた施設基準もすべて満たさないといけません。かなり厳しいと思います。

一方で、現行の加算2と同じ点数となる加算3ですが、こちらであれば、一般急性期の中規模病院でも可能性があるように思います。ただ、それでも現行の加算2と比べたらかなり厳しくはなります。

総合入院体制加算3
①年間の手術件数が800件以上であること、また実績要件について全て満たしていることが望ましく、少なくとも2つ以上を満たしていること。
②精神科については、24時間対応できる体制(自院又は他院の精神科医が、速やかに診療に対応できる体制も含む。)があり、以下のいずれかを満たすこと。
イ 精神科リエゾンチーム加算、又は認知症ケア加算1の届出を行っていること。
ロ 精神疾患診療体制加算2又は救急搬送患者の入院3日以内の入院精神療法若しくは救命救急入院料の注2の加算の算定件数が年間20件以上であること。
③当該保険医療機関の算定対象病棟において、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票におけるA得点が2点以上又はC得点が1点以上の患者が2割7分以上であること。

①について、年間の手術件数800件は変わりませんが、実績要件について、少なくとも2つ以上を満たせばよいとなります。実績要件については下記に記載しますが、2つであれば、当院も満たしており、中小規模の一般病院でも可能性がありそうです。
②については、精神科を標榜していない施設で満たすことは、かなり厳しいと言わざるを得ません。しかし、認知症ケア加算1であれば、算定の可能性があるように思います。認知症ケア加算については、下記にて検討していますので、良ければご覧になってください。

認知症ケア加算は1と2のどちらが良いのか?「身体疾患を有する認知症患者のケアに関する評価」診療報酬改定2016 - 病院看護医療情報Topicsまとめ(Health and Medical Information)

③の看護必要度については、病棟によっては十分に達成可能と考えます。

さてあとは、加算1では全てを、加算2では4つ以上を、加算3では2つ以上を満たさなければならないとされる実績要件ですが、下記になります。

[実績要件]

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実績要件の変更は、化学療法の件数が4,000件から1,000件に減ったという点だけです。
なかなか厳しい条件ですが、2つだけであれば満たせる可能性がありそうです。
ただ、現行では満たすことが望ましいだったので、下の加算が算定できていた施設も、4つ以上、あるいは、2つ以上満たすことが「必要」となることで、算定が難しくなったっと思います。

以上から考えるに、総合入院体制加算は、より算定のための施設基準が厳しくなったと言えると思います。経過措置が下記の期間ありますので、すでに算定している施設は1年間のあいだに、今後の対応を考えると良いでしょう。

[経過措置]
平成28年1月1日に総合入院体制加算1、加算2の届出を行っている保険医療機関については、平成29年3月31日までの間、それぞれ総合入院体制加算1、加算3の基準を満たしているものとする。

総合入院体制加算の算定を諦めるのか、それとも施設基準を満たす努力をするのか、悩ましいところでね。
少なくとも、今回の改定で算定できる施設は確実に減ったであろうと考えます。

 

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引用・参考:中央社会保険医療協議会総会審議会資料 |厚生労働省

 

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