病院看護医療情報Topicsまとめ(Health and Medical Information)

病院・看護・医療に関する話題の情報トピックスをまとめている備忘録です。旬の話題は診療報酬改定2018。掲載している情報は、必ずご自身で内容をご確認ください。記載が不正確であったことにより生じたいかなる損害に関しても、私は責任を負いかねます。

入院基本料の評価変更「Ⅰ-3 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価」平成30年度診療報酬改定の一般急性期病院向けトピックス(2018)

平成30年度診療報酬改定で、一般急性期の病院にとっての大きなトピックのひとつが、こちらの入院基本料の変更になるかと思います。今まで看護師の数で入院基本料は決まっていたのが、急に方針転換されました。まだ未確定な情報ですが、この時期ですから、ほぼ固まってきていると思います。

入院基本料の評価変更!医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価 (平成30年度診療報酬改定)

Ⅰ-3 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価

(1) 一般病棟入院基本料及び療養病棟入院基本料等について、急性期医療、急性期医療から長期療養、長期療養の3つの機能について、入院医療の基本的な診療に係る評価(基本部分)と、診療実績に応じた段階的な評価(実績部分)との2つの評価を組み合わせた評価体系に再編・統合することとし、一般病棟入院基本料について、以下のような見直しを行う。

① 一般病棟入院基本料(7対1、10 対1、13 対1及び15 対1)について基本部分と実績部分を組み合わせた評価体系に再編・統合し、新たに、急性期一般入院料(仮称)、地域一般入院料(仮称)とする。

② 急性期一般入院料(仮称)の実績部分の段階的な評価については、現行の7対1一般病棟入院基本料、10 対1一般病棟入院基本料及びその中間的な評価を設定する。また、中間的な評価は、7対1看護職員配置の届出実績があること及び重症度、医療・看護必要度の基準について診療実績データにより重症度、医療・看護必要度の基準値に係る判定を行うこと等を要件とする。

③ 急性期一般入院料(仮称)のうち、現行の7対1一般病棟入院基本料相当の評価となる入院料には、7対1看護職員配置を要件とする。

④ 現行の病棟群単位での届出及び200 床未満の7対1一般病棟における重症度、医療・看護必要度の基準値に係る経過措置については、一定の配慮を行いつつ整理する。

 

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この書き方だと、7:1と10:1の入院基本料の最大と最少は変化させずに、間に中間的な評価となるように段階を組んでくることになりそうです。国としては地域医療構想の中で7:1を減らしたいわけで、「7:1を意地でも維持して頑張るなんてことしてないで、ちょっと変えたらいいでしょ。点数あんまり変わらないんだから粘ってないで、下の基準に落としたら良いんじゃない」って感じでしょうか。でも、当院の場合は、7:1を意地でも維持しますけどね(笑)

看護必要度については下記のように変わりそうです。

(2) 一般病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度については、急性期の入院医療をより適切に評価する観点から、以下のような見直しを行う。

① 平成28 年度改定で新たに追加した評価項目に関して、項目の定義や該当患者の判定基準の一部について以下のような見直しを行う。
ア 処置等を受ける認知症又はせん妄状態の患者をより適切に評価するよう重症度、医療・看護必要度の判定基準を見直す。
イ 手術に関する項目について、該当日数を一部適正化する。

② 医療機関が一定の要件を満たす場合には、基準値の判定について、診療実績データを用いた判定方法を選択可能とする。

③ 上記①、②の見直し及び入院医療の評価体系の再編・統合等を総合的に勘案して、基準値を設定する。

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重症度、医療・看護必要度についての見直し案は、どうやら、見直し案2の方になりそうです。救急搬送後の入院というのが、救急医療管理加算1の算定対象のみに変更となるかと思いましたが、現状通りとなりそうです。

A1以上かつB3以上でかつ「診療・療養上の指示が通じる」又は「危険行動」のいずれかに該当している患者が、該当患者に入れて良いこととなると、%がかなり上がりそうです。一般的な病院では4~5%程度上がるだろうと想定されています。

また、開腹手術の所定日数が5日から4日に減るのは少し残念ですが、上記で大幅に増えることを考えると、両方合わせて、4%程度は上がるのではないでしょうか。

ただし、増えるだけではありません。7:1を維持するためには、きっと30%以上の必要度を設定してくるのではないかと思われます。ひょっとしたら、32%ぐらいか?そう考えると、4%の上昇ではまだ足らないかもしれません。よくよく確認しておくことが必要でしょう。この変更はほぼ確実視されています。皆さんの病院で今のうちから、ぜひシミュレーションして試しておかれることをお勧めします。

(3) 療養病棟入院基本料について、入院医療の評価体系の再編・統合の方向性を踏まえ、以下のような見直しを行う。
① 20 対1看護職員配置を要件とした療養病棟入院料(仮称)に一本化することとし、医療区分2・3の該当患者割合に応じた評価に見直す。
② 現行の療養病棟入院基本料2については、病院における医療療養病床に係る医療法上の人員配置標準の経過措置の見直し方針を踏まえ、療養病棟入院料(仮称)の経過措置と位置付け、最終的な経過措置の終了時期は次期改定時に改めて検討することとし、経過措置期間をまずは2年間と設定する。
③ 現行の療養病棟入院基本料2に関し、25 対1看護職員配置の要件を満たせない場合の経過措置(所定点数の100 分の95 を算定)については、必要な見直しを行った上で2年間延長する。

(4) 療養病棟入院基本料の医療区分3の評価項目のうち、「医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態」については、より適正な評価となるよう取扱いを見直す。

(5) 療養病棟入院基本料の在宅復帰機能強化加算については、在宅復帰の機能をより推進する観点から、基準値を含め評価を見直す。(Ⅰ-1(2)②再掲)

(6) 療養病棟における夜間のケアを充実させるため、看護職員等の夜間配置の評価を新設する。

以上は療養病棟についてのことなので、さくっと読み飛ばしてしまいましたが、「医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態」が適正な評価となるようというのは、ひょっとしたら一部の施設には厳しい内容かもしれませんね。

(7) がんで入院中の患者が、高度な放射線療法を円滑に受けられるよう、高度な放射治療機器等を有する他の医療機関を受診する場合に、入院中の他医療機関受診時の減算について取扱いを緩和するとともに、受診先医療機関において外来放射線治療加算の算定を可能とする。

がんで入院中に、他施設での治療を受ける際に、有効かと思いますが、当院では入院患者の層的にあまり影響なさそうです。

(8) 医療資源の少ない地域に配慮した評価を更に適切に推進する観点から、病床数が要件となっている診療報酬上の取扱いを一部緩和する。

(9) 結核病棟入院基本料について、より効率的な病棟運営が可能となるよう、障害者施設等入院基本料と併せて1病棟として運用する場合であって、結核病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度に係る基準のみを満たさない場合の入院基本料の水準を見直す。

医療資源の少ない地域でもありませんし、結核病棟も持っておりませんので、ここもさくっと読み飛ばしてしまいます。関係する方はじっくり読んでみてください。

(10) 地域包括ケア病棟入院料について、以下のような見直しを行う。

① 入院医療の評価体系の再編・統合の方向性を踏まえ、地域包括ケアシステムの構築をより一層推進する観点から、在宅医療や介護サービスの提供等の地域で求められる多様な役割・機能を有している場合について、評価を行う。(Ⅰ-1(10)再掲)
② 救急・在宅等支援病床初期加算について、在宅等からの入院と急性期医療を担う一般病棟からの転院・転棟で評価を区別し、評価の見直しを行う。
③ 在宅等からの患者の受入れに係る加算等の要件に、入院時に関係機関と連携し、治療方針に関する患者・家族の意思決定に対する支援を行う体制を構築することなどを追加する。(Ⅰ-1(11)再掲)

地域包括ケア病棟(病床)の本来の目的として、下記のように、緊急時の受け入れ(サブアキュート)についても診て欲しいというのがありましたので、そこを強調する形になっているのだと思います。

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現状 、地域包括ケア病棟(病床)が、自施設からの受け入れがほとんどであるという状況を、厚労省も把握しているので、そこを変えさせようということだと思います。間違いなく、自施設からの受け入れでは減算としてくるでしょうから、病病連携の重要性が増してくるだろうと予想されます。

(11) 有床診療所入院基本料について、地域包括ケアモデル(医療・介護併用モデル)での運用を支援するため、介護サービスを提供している有床診療所について、入院基本料1から3までの要件を緩和するとともに、高齢患者の入院受入れに係る評価を新設する。併せて、有床診療所在宅復帰機能強化加算の平均在院日数に係る要件を緩和する。(Ⅰ-1(12)再掲)

有床診療所についてのことなので、さくっと読み飛ばして。

(12) 回復期リハビリテーション病棟入院料について、入院医療の評価体系の再編・統合の方向性を踏まえ、以下のような見直しを行う。
① リハビリテーションの提供による日常生活動作の改善(実績指数)等に応じた評価を一層推進する。
② 実績指数の高い入院料について、栄養状態の評価や栄養管理に係る取組を要件とするとともに、入院栄養食事指導料の算定を可能とする。
③ 回復期リハビリテーション病棟専従のリハビリテーション専門職について、一定の要件の下、外来や訪問でのリハビリテーションの提供を可能とする。

回復期リハビリテーション病棟について、より一層、実績評価の度合いが高くなるということでしょう。ここで気になるのは、栄養状態の評価や栄養管理に係る取り組みがとあることです。回復期リハビリテーション病棟にも管理栄養士の関与が必要ということです。

ここで少し面白いといって良いのかどうかわかりませんが、変わったところでは、専従の要件を緩和しているところでしょう。回リハ専従のリハ職員が、一定の条件下において、外来や訪問リハを可能とするというのは、もはや専従ではないですよね。その一定の条件というのが気になるところです。

(13) 10 対1 入院基本料を算定する全ての医療機関や、一部の回復期リハビリテーション病棟入院料や療養病棟入院基本料を算定する医療機関についても、データ提出加算の算定を入院料の要件とする。そのため、現行の回復期リハビリテーション病棟入院料における重症度、医療・看護必要度に係る要件について、合理化の観点も含め整理する。また、未コード化傷病名等データの質についての評価を行う。

10:1入院基本料や、一部の回復期リハビリテーション病棟及び療養病棟についても、データ提出が義務付けられるということですね。さらに、回復期リハビリテーション病棟の重症度、医療・看護必要度について見直しが入るようです。加えて、未コードのものについて評価されるようです。国として、今後の医療政策を考えていくうえで、ますますデータを重要視しており、そのために、ちゃんとしたデータとなるようより厳しくしていこうということでしょう。

(14) 特定集中治療室におけるより質の高い医療の提供のために、特定集中治療室管理料について、以下のような見直しを行う。
① 多職種による早期離床の取組について評価する。
② 特定集中治療室管理料1及び2の施設基準について、専門の研修を受けた看護師の配置を要件とする。
③ 特定集中治療室管理料については、入室時の生理学的スコアの測定を要件とする。

(15) 特定集中治療室等の治療室に備えるべき装置・器具について、器材の効率的な使用の観点から、緊急の事態に十分対応できる場合は、救命器具以外は、他の治療室等と共有できるよう施設基準を見直す。

(16) 救命救急入院料1及び3並びに脳卒中ケアユニット入院医療管理料については、重症度、医療・看護必要度の測定を要件とする。

ICUと救命救急についてなので、さくっと読み飛ばして。次のDPCについて。

(17) 短期滞在手術等基本料について、入院基本料の平均在院日数や重症度、医療・看護必要度への影響にも配慮しつつ、DPC対象病院はDPC/PDPSによる評価を優先させるよう取扱いを見直す。

短期滞在手術についてですが、これは非常に気になるところです。短期滞在手術は、今はDPCから省いていたのが、これからはDPCによる評価を優先となるようです。そうなると、平均在院日数は短縮方向に行くので良いとしても、重症度、医療・看護必要度への影響が気になるところです。はてさて、「影響に配慮しつつ」というのが、どういった内容となるのか、非常に気になるところです。

(18) DPC制度について、以下のような見直しを行う。
① 調整係数について、基礎係数と機能評価係数Ⅱへの置き換えを完了する。調整係数の置き換えに当たって行っていた激変緩和措置はその手法を見直した上で引き続き必要な措置を講じる。
② 基礎係数を設定する医療機関群について、医療機関群の設定方法の基本的な考え方は維持し、各群の名称を見直す。
③ 機能評価係数について、機能評価係数Ⅱの現行の8項目のうち、後発医薬品係数及び重症度係数については評価を廃止するとともに、後発医薬品使用体制加算に対応した機能評価係数Ⅰの算定を可能とする。また、その他の6項目及び機能評価係数Ⅰについても、必要な見直しを行う。
④ 診断群分類やその他算定に係るルール及びDPCデータの調査項目等についても、簡素化を含めた必要な見直しを行う。

以上はDPCについてなのですが、気になるところとしては、機能評価係数Ⅱの後発医薬品指数がなくなって、それに対応し機能評価係数Ⅰの中に組み入れられることです。そうなると、現行ではかなりの病院で、高い後発医薬品指数を出せていることから、次の改定では80%程度の厳しい指数を求めてくるのではないかと思われていたのですが、どんな形となってくるのか、気になるところです。

(19) 入院患者に対する褥瘡対策を推進するため、以下のような見直しを行う。
① 入院中の新たな褥瘡発生を予防するため、入院時に行う褥瘡に関する危険因子の評価の項目を見直すとともに、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の対象者に、医療関連機器の長期使用者を追加する。
② ADL維持向上等体制加算の褥瘡に関する基準(院内褥瘡発生率)を見直す。
③ 療養病床の褥瘡に係る加算について、アウトカムに着目した要件に見直す。

(20) 看護補助者の配置に係る加算を算定する場合は、定期的に看護職員及び看護補助者の業務内容を見直すとともに、身体的拘束等の行動制限を減らす取組の実施を求める。

(21) 看護補助者の配置に係る加算を算定する場合は、看護補助者への院内研修の実施を求める。

 看護補助者については、定期的な業務の見直しが含まれてくるようです。ですが、今までも夜間での加算を取っている場合に、その項目もあったため、すでに実施している施設も多いのではないでしょうか?また、研修についても、看護補助者も教育が必要なため、行っている施設も多いのではないでしょうか?よって、ここはそれほど影響ないようにも思います。

medical-info.hateblo.jp

 

参考・引用:中央社会保険医療協議会 (中央社会保険医療協議会総会) |厚生労働省

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